死亡事故における逸失利益
1 死亡逸失利益とは?
死亡逸失利益とは、「仮に被害者の方が交通事故で死亡しなかったとしたら将来受けることができたであろう利益」のことを言います。
2 死亡逸失利益の種類
死亡事故の場合の死亡逸失利益に関しては、以下の2点が争点になることが多いです。
- ①被害者の方が交通事故に遭わず就労し続けていたなら得られたであろう利益
- ②被害者の方が存命であれば受け取ることができていたはずの年金
3 死亡逸失利益の計算方法
⑴ 就労利益分の死亡逸失利益の計算方法
就労利益分の死亡逸失利益は、一般的に、「基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数」という計算式によって算出されます。
「基礎収入額」は、被害者の方が交通事故発生前に現実に得ていた収入額を利用することが一般的ですが、事案によっては他の金額を用いることもあります。
「生活費控除率」とは、被害者の方が生前に得ていた収入の内、生活費の支出に要していた金額の割合のことを意味します。
生活費分の控除がなされるのは、死亡によって生活費の支出がなくなるためです。
「就労可能年数」とは、被害者の方が存命であれば就労が可能であったであろう年数のことを言い、一般的に、67歳までとされたり、平均余命の2分の1とされたりすることが多いです。
「ライプニッツ係数」とは、中間利息を控除するための係数のことです。
⑵ 年金分の死亡逸失利益の計算方法
年金分の死亡逸失利益は、一般的に、「年金額×(1-生活費控除率)×平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数」という計算式によって算出されます。
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