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弁護士法人心 船橋法律事務所

相続放棄が認められない事例

  • 文責:所長 弁護士 岩崎友哉
  • 最終更新日:2024年5月9日

1 相続放棄が認められない主な事例

相続放棄が認められない主な事例としては、次のものが挙げられます。

①熟慮期間を渡過してしまったケース

②相続放棄申述時の書類等に不備があり補正されないケース

③法定単純承認事由に該当する行為があるケース

相続放棄は、認められなかった場合、基本的には取り返しがつかない手続きです。

そのため、相続放棄が認められない事例についてしっかり理解し、事前にリスクを最小化しておくことが大切です。

以下、それぞれの事例について詳しく説明します。

2 熟慮期間を渡過してしまったケース

相続放棄は、相続の開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。

正確には、相続の開始を知った日から3か月以内に、相続放棄に必要な書類一式を管轄の家庭裁判所に提出する必要があります。

この3か月間のことを、一般的に熟慮期間といいます。

熟慮期間を渡過してしまうと、相続放棄は受理されませんので、相続放棄の手続きはできるだけ早く着手する必要があります。

3 相続放棄申述時の書類等に不備があり補正されないケース

相続放棄は、相続放棄申述書のほか、戸籍謄本類、被相続人の住民票除票または戸籍の附票などを、管轄の家庭裁判所に対して提出する必要があります。

これらの必要書類が足りていないと、原則として、相続放棄は受理されません。

書類に不備がある場合、家庭裁判所から補正を求められることもありますので、指示に従ってしっかりと対応をする必要があります。

また、相続放棄の申述の際に揃えきれない資料等がある場合、あらかじめ管轄の家庭裁判所に対して事情を説明しておくことで、場合によっては後日追完することが認められることもありますが、追完ができなければ相続放棄は受理されません。

4 法定単純承認事由に該当する行為があるケース

法定単純承認事由に該当する行為とは、行ってしまうと相続放棄が認められなくなる可能性がある行為です。

別の観点から説明をしますと、相続放棄をする意思がないとみなされる行為です。

具体的な例としては、被相続人の現金や預貯金を相続人自身のために費消することや、被相続人の動産や不動産を売却または廃棄すること、遺産分割協議をすることが挙げられます。

法定単純承認事由があると、原則として相続放棄は受理されませんので、相続放棄を検討している場合には被相続人の財産には手を付けないでおきましょう。

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